岐阜県 大塚酒造 訪問

掲載日:(2012年05月30日)

昨日、岐阜県揖斐郡にある、約80石しか生産していない超スモール蔵「大塚酒造」を訪ねました。ご両親と奥様に手伝ってもらいながら6代目の若き跡取り杜氏・大塚清一郎さん(30歳)がほとんどひとりで酒を造っています。23BYで酒造り2年目という、将来がとても楽しみな蔵元。醸す酒の名は大塚家の家紋の「竹雀」から命名。小さな蔵元の若者の大きな決意が込められている気がするのは私だけでしょうか?
お座敷で色々とお話させていただきましたが、とても真面目さが伝わって来ます。そして、まだ若いのに、自分が造る酒にしっかりとした信念を持っていることに驚かせれました。目指す酒は「食」と「酒」の相乗効果でどちらも更に美味しくなるような酒。ズバリ、「究極の食中酒」!
その後、蔵内を拝見させていただきましたが、ほとんど、いや、全てが手作りで酒を醸しているというのが判ります。まるでTVのワンシーンのように、昨年の造りも蒸し米を担いで階段を駆け上がったそうです。仕込み期間中に体重は7㎏落ちるそうです。大塚さんによる蔵内と仕込みの説明中、生粋の江戸っ子のような三重県出身のチャキチャキ奥さん(べっぴんさんです)が「セレブな蔵元さんではこんなあんな立派な設備がありますがウチはこれです…」と笑いながらヨコヤリ。でも、いつかきっと、セレブな設備を導入するという「夢」が込められているように聞えます。ああ、家族で頑張って酒を造っている…。そして、家紋「竹雀」の継承を強く願っている…。真面目で、微笑ましくて、内に秘める熱い志を感じる蔵元さんでした。
帰宅後、サンプル酒を試飲。将来が楽しみと前述しましたが、イヤイヤドッコイ。将来どころか、今、いいんです、酒が…。心がこもった酒ってこうなんだ…って感動させられました。ぬくもり、蔵の想い、造り手が目指す方向性が明確に味わいに表現されています。この酒の良さを、酒屋として、解る方にピンポイントでしっかりお伝えしていきたい…そう思わせてくれる酒でした。