【仙介】兵庫県・泉酒造      

老舗の産声…【仙介】
兵庫県神戸市東灘区御影塚町1-9-6                       蔵元HP

 今から250年以上も前の1756(宝暦6)年に、泉酒造は初代「仙介」が有馬郡道場村にて酒造業をはじめ、三代目「仙介」の時、道場村から灘五郷のひとつ、御影郷に蔵を移転しました。神戸の海岸沿い、梅田と三宮の間の阪神沿線に現在の蔵はあります。ちなみに「仙介」とは代々の当主が襲名する名前です。歌舞伎や落語家と同様に、古くから続く蔵元では当主が同じ名を襲名することはよく耳にします。
 皆様もご存知の通り、兵庫県灘地区は酒造の町。灘の生一本といえば有名ですよネ。昔から灘の酒と言えば「宮水」と呼ばれる地下から湧き出る水で仕込まれています。その地下水は、ミネラルを多く含んだ白濁した硬水。豊富で酒造りに最良であるその宮水を使って造られる灘の酒は全国で人気となっていきました。
 「泉酒造」が造る酒の代表銘柄は「泉正宗」。ラベルに用いられている「泉」の文字は俳優、森繁久彌さんの手によるもの。昭和中期頃まで、地元のラジオでCMソングとして流れていた雪村いづみさんが歌う「泉正宗マンボ」は、関西圏では清酒・泉正宗と共に親しまれていました。
 ところが、1995年1月17日の阪神大震災で、250年もの歴史ある蔵元が焼失、倒壊してしまいます。その泉酒造を12年ぶりに復活させたのは先代「仙介」のお孫さんにあたる西野藍さん。震災時はまだ女子高校生だった彼女は、学校を出てから別の仕事に就きました。ですが、「泉正宗」の酒の想い出話やCMソング等の話を周りの人から耳にする度に、『もう一度、自分達の酒造りがしたい…』『泉酒造の酒を世に残したい』という想いがどんどん強くなっていったそうです。
 稼業中だった頃と同じく丹羽杜氏を呼び寄せ、遂に酒造りが再開されました。悲願の新蔵は、信条とする手作りの美味しい酒を造るのに適した最新設備が導入されています。酒名は泉酒造復活を誰よりも願いながら、2006年に亡くなった大好きだったおじいちゃんの名。7代目、仙介…。そう、代々続く「仙介」です。
 灘の「宮水」を使い、灘伝統の丹羽流の酒造りで醸される「仙介」。酒造り三期目からは、女性蔵元と丹波杜氏組合最年少(2012年現在)の和氣杜氏を中心とした若いスタッフのみで醸され、伝統に新しいエネルギーを注いだ、これまで以上に魅力的な日本酒が生み出されています。 大手メーカーが多い灘地区において、手造り、少量生産、高品質を貫く蔵元・泉酒造が醸す「仙介」は注目の酒。被災から見事に復活し、情熱に溢れる酒「仙介」。老舗の産声を是非ご賞味ください。

仙介の応援ソングが流れます。
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